シールやステッカーを印刷して製品化されるまでの製造行程と、ラミネート貼りやセパレート紙の仕上げ方法
シール ラベル ステッカーの印刷製作サイト 「グラファス」
 
 
 
スクリーン印刷の印刷行程を簡単にご説明致します。他の印刷と比較しますと大変、手間のかかる印刷行程です。またインキの乾きも遅い為、1色印刷するごとにドライラックに入れて乾燥し、インキが完全に乾いたら2色目の印刷にかかります。まさに典型的なアナログ方式です。細かいグラデーションやフルカラーには向かないのが難点です。60~80線程度のカラー分解なら対応可能です。特色でベタ刷りには、たいへんおすすめです。
 
版下作成~データ面付け

弊社では、9割以上のお客様が「データ支給」ですので弊社で版下を作ることはほとんどいたしません。ただ色ごとの分版や細部の調整やベタの塗り足し作業等は、アドビイラストレーターを使用しています。データの面付けや、仕上げカットのアタリ罫等もこの行程で行います。デジタルプリント出力の場合はモニタ上のデータがそのままダイレクトに版として利用できますが、シルクスクリーン印刷の場合はデータを、出力機でポジフィルムに置き換えます。

 
露光・現像

前行程で作ったポジフィルムを、感光乳剤を湿布したスクリーン印刷専用の刷版(アルミフレームにテトロンメッシュを貼ったもの)に密着させ露光します。今はほとんどテトロンを使用しますが、昔はシルクを使用していたので、「シルクスクリーン」と呼ばれるようになったわけです。メタルハライドランプ(高紫外線)により、メッシュ上の感光乳剤に、画像が焼き付きます。その後、暗室にてジェット水流で不要な乳剤を落とし、完全に乾いたら「スクリーン刷版」の出来上がりです。

 
印刷

いよいよ印刷です。スクリーン印刷機に「スクリーン刷版」を取り付け、印刷位置を調整し版の上に指定の色のインキを流し込みます。その後、スキージとよばれるインキを押し出すためのヘラをスクリーン印刷機の上部に取り付け印刷開始です。印刷される部分はメッシュからインキが下のシートに押し出される仕組みです。1色目の印刷が終わったら、版とスキージを一度、印刷機からはずし2色目の版を取り付けます。後は同じ動作をくり返します。

 
PP貼り(ラミネート貼り)

インキが完全に乾いたら、印刷表面の保護の「PP」を貼ります。スクリーンインキは屋外用の顔料インキですが、表面に透明のラミネートを貼ることによって引っ掻きキズや摩擦から表面を保護します。また耐光性はPP貼りをしていないステッカーよりも耐久耐光期間がさらに向上します。表面はグロス仕上げになり光沢がでて高級感が増します。

 
断裁

最後の仕上げは断裁です。お客様の御指定のサイズにカットいたします。円形や角丸、オリジナル形の際で、少量の際は刃型代のかからない、カッティングプロッタでハーフカット仕上げになります。数量が多い場合は、トムソン刃や腐食刃で型抜きすることも可能ですが、別途刃型代が必要になります。以上の行程を経て梱包後、お客様のもとへ発送いたします。

 
PP貼り(ラミネート加工)について
PP貼り(ラミネート加工)した場合は、下記画像の左側のように表面に光沢がでます。屋外用の場合はおすすめいたします。スクリーン印刷の場合は屋外用でラミネート無しでも可能ですが、デジタルプリント出力の場合はラミネート加工は必要です。当社では丈夫で耐光性保護に適した透明PET(16ミクロン)をラミネートとして使用しております。

PP貼りを施した場合と無しの場合の比較画像です。画像の左側はラミネートした状態です。右側はラミネート無しの状態です。ラミネートは透明ですが、厚みが16ミクロンありますので色は若干、濃く見えます。表面の光沢の差が、お解りになると思います。コスト的には、ラミネート無しのステッカーに比べ1~2割程度アップいたしますが、耐久性を考えればラミネート仕上げのほうがお得かもしれません。

セパレーター紙の1枚カットとシートカットの違いについて
 
セパレーター紙とは、シールの下の台紙のことです。シールを貼った後には不要です。たとえばお客様に1枚づつ配布する場合は、このセパレーター紙も1枚づつカットしなければなりませんが、業務用シールなどで、次々と商品などに貼る作業がある場合は、逆に1シート(1枚のセパレーター紙)に、シールを並べた状態のほうが作業効率が向上します。カット代金は1シートにシールを並べた状態(シートカット)のほうが安くなります。
シートカット(台紙シートの上に複数のシールが並んだ状態)
 
1枚カット(シールごとに下の台紙シートもカットした状態)
 
ロール
.........................................................................................................................................
弊社ではほとんどの製品がシートカットです。1枚カットの場合はシールの縦横合計が100mm以上の場合は対応できますが、100mm未満の場合は、断裁機ではカットしずらいためカット料金が高くなります。シートカットの場合でもシール自体はそれぞれ、御指定のサイズまた形状に1枚づつカット済みですので、差程、影響はございません。
業務用ラベルや、品質表示シールなど大量ロットの場合、ロール(巻き)による納品も可能です。印刷方式は凸版とオフセットに限定されます。自動貼りの場合は「出し方向/天地」「紙管の直径/インチまたはmm」「巻き/外巻きまたは内巻き」の指定が必要です。台紙まですべて指定形状に打ち抜く全抜きにも対応可能です。
.........................................................................................................................................
 
シートカット(ピッチ有り)シールとシールの間隔があるタイプ
 
シートカット(ピッチ無し)シールとシールの間隔が無いタイプ
1シートに複数のシールが付いた状態で1枚ずつカットされています。シールとシールのピッチ(間隔)が全くない為、紙のロスも少なく、経済的で修正作業でシールを半分、起こして貼る場合など作業効率がアップします。印刷方式や、デザインによってはシールとシールのピッチ(間隔)が必要な場合もございます。